辺戸岬【辺戸岬キャニオン】


市販雑誌のダイビングポイントで【辺戸岬キャニオン】と紹介されている。
ただし、我々はそれを含めて広く探索しており、敢て「辺戸岬」と書す。
沖縄本島で残波岬と双璧に扱われているようだが、俺的には贔屓するわけではなく辺戸が上!!

ポイントとしては大きく突き出た海中岬状の根周囲、水深30mあたりにある洞穴【辺戸洞穴】その周囲のクレバスを「キャニオン」になぞらえているらしい界隈が【辺戸岬キャニオン】
流れが無いと大物はあまり狙えない。
台風前後、大潮時は怒涛の潮流となる事があり、注意は必要だが、湾出口ゆえに底は砂、礫地であり、30m程度とそれ程深くはなく、上級者であれば問題ないと思われる。

私は北西寄り水深40mあたりにポイントを持っており、これを含めて『辺戸岬』と呼んでいる。

ここは夏場は特に穏やかになる分、大物遭遇率が下がるが、秋〜冬場は辺戸西に勝るとも劣らない。
しかも、辺戸西のほうが外洋に面しているにもかかわらず、コチラの方は外洋性の大物が稀だが通過する。
例えば、私が見たものとしては

●ザトウクジラはこれまで何度も大きな鳴き声を聞いていたが姿は見られない事が多かったが、2009年4月に初めて岬脇を通過。撮影。

●グレイリーフシャークは、2008年の冬に同じく岬脇をかすめて行った。これも撮影。

●ヒメイトマキエイ【チビマンタ】はダイブチーム・上原商店のチュルミー氏が撮影。

●キハダマグロは、ダイブチーム・上原商店のI氏が見たらしい。
2010年秋に私もキハダマグロの群れ(若魚集団)に遭遇。

●シノノメサカタザメは、渡嘉敷島越島隊のシュノーケリングで一度見たが、ダイビングで遭遇したのは初。2009年7月・水深10mの珊瑚棚上にて。撮影出来ず。  


まあ、上記の稀魚は別として、ウミガメ、ナポレオン、ロウニンアジ、ホワイトチップ・リーフシャーク、イソマグロの遭遇率は高い。

     

辺戸岬
レベル 上級〜中級 時に危険
流れ 時にスーパーカレント
魚影 大物 時に群れ
会って嬉しい魚種 ナポレオン小〜大・ギンガメアジ群・イソマグロ群
ウミガメ3種・テングダイ・ホワイトチップ・リーフシャーク
ロウニンアジ、バラクーダ ホシカイワリ 巨大マダラハタ
ナンヨウカイワリ カスミアジ マダラトビエイ マダラエイ
出た事があるが稀 ザトウクジラ チビマンタ キハダマグロ  メジロザメ シノノメサカタザメ
評価 90%(夏場の大物遭遇率の悪さは時にがっかりさせられる)














辺戸岬キャニオン

水深10〜30m前後。
流れがあれば、時にイソマグロ群れ、ギンガメアジ群(秋〜冬)が見られる。  イソマグロはそれ程逃げないが、ギンガメアジは数匹の偵察部隊がいて、これに見つかると一気に逃げられる。
辺戸西より撮影し辛い。
ロウニンアジは「辺戸洞穴」内でよく見られる。特に流れがある時。
周囲クレバスではウミガメが寝ている事があるので、見つけたらダッシュで撮影。

   
ギンガメアジ群
流れが速い時に岬周囲で時に群れる。
上述の通り、すぐに逃げるので撮影し辛い。 
 
   

イソマグロ群
普段は単独もしくは数匹の群れで現れるが、時に大群となる。
岬先端の底付近で流れに逆らっている姿は、まるで鮭の遡上のようである。
一時期、棚上でクリーニングしてもらう姿が見られたが、最近はお目にかかれていない。 
 
   

ナポレオン

海中のストーカー。
我々をピッタリつけてくる事が多々ある。
そのくせ、カメラを向けると撮影範囲外で逃げまくり。 
 

 
   

マダラエイ

多くは無いが、時に岩場で寝ている。
アカエイのようにすぐに逃げる事はないので、存分に撮影出来る。
尻尾の毒針も気になるが、いたって平和的で、うるさく感じるとゆらゆら動き始めて逃げて行く。私の経験上では尻尾を振って刺そうなどとはしない。 
 


   

ホワイトチップ・リーフシャーク

「辺戸洞穴」内に良く見られる。
すぐに逃げてしまう。
また、コチラへ向かって来ても大体が撮影圏内では真横写真になってしまう。
小さい内は顔がナマズ様であり、写真のような格好良さが出るのは2mクラスの大きなモノのみ。
以上の事から、大きくてコチラを威嚇してくるくらいの奴でないと、なかなかこのような迫力のある写真は意外に撮れない。 
 




   

ロウニンアジ
こちらも「辺戸洞穴」内でよく見る。流れている時に餌をあさりに廻ってくるようだ。特に初夏および秋〜冬場
 
 
     

アオウミガメとタイマイ

辺戸界隈は多い。時折寝ており、絶好の撮影チャンスとなる。
沖縄近海は相対的にアオが一番多く、アカ、タイマイはポツポツという感じ。
ただ、絶滅危惧種といわれる割には稀な存在ではない。
アカウミガメの方が鈍いので撮影しやすい。 
 

     

アカウミガメ

沖縄では本土より少ないが、3月〜6月の発情期には婚活にいそしんでいて、
俺らが見えないのに、いつの間にか遠くから我々を発見し、急接近してくる。
大概、同類ではないと判って逃げていくが、大人しい女性ダイバー等にはしがみ付いた情報がある。まさにデバ亀。
2009年は4〜5月まで同じクレバスに居ついた(いつもソコで寝てた)のが居た。
その前年もH氏により写真撮影されており、お気に入りの場所のようだ。 
その後も2011年まで同時期に現れた。「亀子さん」と命名。 
上:居ついたアカウミガメの亀子さん。 下:婚活で急接近

     

辺戸洞穴に居ついたナンヨウカイワリの群れとヒレナガカンパチ

これまでもナンヨウカイワリはしばしば冬場の辺戸洞穴で少数編隊で現れてはいたが、2010年1月から長らく居候している。 ほぼ100%で飽きるほど。
これに加わるのが、時折、ホシカイワリ。何故か今年はカスミアジは加わらず。

また、一緒に群れているというより、我が道を行く・・・って感じで居座っているのが、ヒレナガカンパチ。
時折、仲間も現れるが、常に洞窟内にひきこもっている。クリーニングしてもらっていてオキニになっているのだろうが、はたしてそれだけ?
カメラギリギリ、手にも触れられる程(逃げはしたが、実際、尾に触れられた) 
 



     

その他回遊魚

クロヒラアジ
時折、エントリー付近の浅場で見られる。夏〜秋
カスミアジ&ナンヨウカイワリ
時折、これらは一緒に行動する模様。
カスミアジは夏場、群れで浅場にやってくる。夏〜冬
カスミアジ幼魚
毎年ではないが、秋に「象の鼻」付近でギンユゴイの群れの中に混ざっている。
ホシカイワリ
夏〜秋にかけ、単独もしくは群れてグルクンやキビナゴの群れに突進する姿を見る。個人的に好き。
バラクーダ
辺戸西ではラビリンスで夏場の午後に良く見かけるが、辺戸岬側は真冬の午前に見かける。同じ奴がいついているのかもしれないが、大きさもマチマチな気がする。
なかなか寄って撮影させてくれない。
これは、岩陰からフェイントをかまして撮影
ヒレナガカンパチ
夏場に見かける。
好奇心旺盛で、時にダイバーの廻りを廻りまくる。



    その他可愛い系?


可愛い系の定番。
夏〜秋にかけて浅場で運よく見つけたらデコクリアもしくは安全停止がてらに撮影しまくり。
深場にも時折見られるが、これを撮影しようと頑張ると、デコクリアに癖壁させられる羽目に陥る。
ハダカオコゼ・ピンク
白、黄、茶色等は辺戸西他でも見かけたが、ピンクは初。この1回のみ
タテキン幼
どちらかというと、礁池にいるサザナミヤッコ幼と比べて深場に多い。
浅くても15mくらいなので、納得いく撮影するには結構なデコタイムを喰らってしまう。ただ、どちらかといえば好奇心旺盛なので、ファインダー前をウロウロしてくれる。
 
セジロクマノミ
比較的稀なクマノミ。辺戸岬にはトウアカ以外は全ているはず。
世間では“可愛い”とされるクマノミであるが、俺は水槽で飼った経験から、見た目より意地汚く獰猛なこの魚はとても可愛いとは思えない。


絶対稀系

       

ザトウクジラ 


鳴き声だけなら12月〜4月は辺戸岬を含めた界隈は定番。
時に体が震えるほど大きな声がするので、絶対に近くにいるはずなのだが、見つからない場合が多い。
たまたま2009年の4月に岬をかすめて通過したところを発見&撮影。
タヒチはルルトゥまで行かなくとも・・・と言いたいトコだが、10数年にして初だからねぇ〜。

 
グレイリーフシャーク
沖縄は海外ほどメジロザメは見られない。
自分自身も慶良間でのシュノーケリングで数回、沖縄本島ではコレを含め2回。
これは2.5mクラスで結構大きかったが、あっという間に逃げてしまった。
これを撮影するのだったら、パラオで存分にどうぞ。
 
キハダマグロの群れ
沿岸界隈で目にするのはイソマグロのみ。
黒潮ガンガンの辺戸西ですらイソマグロしか見た事がなかった。
しかし、2010年10月(log577参照)辺戸岬のエントリーポイント沖でいきなり遭遇。
どうやらこの日は気に入ったのか、湾内をぐるぐる廻っていたようだ。
1本目と3本目、同じ場所で遭遇。
鰭が黄色いので、たしかにキハダと思われるが、いずれも小さい若魚達。
デップリと大きくなったら沿岸にはもはや近寄らないんだろうなぁ。

     

辺戸岬キャニオン
レベル 上級〜中級 時に危険
流れ 時にスーパーカレント
魚影 大物・群れ
会って嬉しい魚種 ナポレオン小〜大・ギンガメアジ群・イソマグロ群
ウミガメ3種・テングダイ・ホワイトチップ・リーフシャーク
ロウニンアジ、バラクーダ ホシカイワリ 巨大マダラハタ
ナンヨウカイワリ カスミアジ マダラトビエイ マダラエイ
ツムブリ、ヒレナガカンパチ
出た事があるが稀 メジロザメ チビマンタ ザトウクジラ キハダマグロ
評価 90%










「キンメモドキの洞穴」

水深30〜40m前後。
辺戸岬界隈では最深レベル。
棚上から底へ下る縦穴と、その対面に根を貫通するトンネルがあり、そこにキンメモドキが群れている。
冬〜春にかけて少なくなるが、白化現象以降、全滅した海域が多い中、ココと辺戸ドーム南ではまだ健在。
このポイントとキャニオンの間で、大物遭遇率が高い。
冬場だけテングダイが辺戸西側から遠征してくる。
深場である事、岬から更に遠くなるので、エア持ちが良くないと厳しい。


   

「キンメモドキの洞穴」
その名の通り。
ちなみに、トンネル真ん中に岩が突き出ており、ソレを避けようとすると、手元付近にミノカサゴの集団が待ち構えている。
結構、好戦的なので注意。私は刺された。 
 



   

マダラトビエイ
辺戸岬界隈でも時折見られる。これは群泳していたもの。
 
 



   

ホワイトチップ・リーフシャーク

縦穴で見かける。辺戸洞穴よりは率は悪い。 
 

     

キンメモドキの洞穴 (Original Point)
レベル 上級〜危険
流れ 時にスーパーカレント
魚影 大物・群れ
魚種 イソマグロ群
ウミガメ3種 ロウニンアジ 
テングダイ・ホワイトチップ・リーフシャーク
巨大マダラハタ、  
評価 80%(遠い割に大物遭遇率が悪い。当たればラッキー)










宇佐浜沖

水深5〜25m前後。
主にナイトで行く事が多い。
過去、辺戸岬界隈へダイビングするといったら、コチラへ来ていた。
沖は砂地。
リーフ沿いはクレバスが発達し、洞穴状になっており、夜間の貝類観察、眠りブダイ、眠り亀観察によい。



    

眠り亀
潜った時期に一度見つけると、そのシーズンは懲りずに同じ場所付近で寝ている。
さんざ撮影した後は、背中に乗って嫌がられる。 
眠りブダイ(アオブダイ)  
よく写真で見かける通り。


         

貝・蟹・海老達
洞穴内で、日中は見られないタカラガイをはじめとした貝・蟹・海老類が見られる。
 
 
ムラクモダカラ  
日本では宝貝で最大種。模様が地味で人気ない。

 
ジャノメダカラ  
ジャノメ模様の美しいタカラガイ。

ツボイモとヤクシマダカラ  
貝食性のイモガイ・ツボイモがヤクシマダカラを食べているところ

アカモンガニ  
お弁当を抱えて移動中

   

トウカムリ
砂地散策していた時期に見つけた。
5〜6月頃は集団お見合いしている。 
 


   

アカエイ
夏場の繁殖期には砂地で集会をしている。
ただ、ダイビングだと、近寄って撮影する間もなく逃げ去られる事が多い。  
 



     

宇佐浜沖 (Original Point)
レベル 初級〜中級
流れ ほとんどなし
魚影 小物
会って嬉しい魚種 マダラトビエイ マダラエイ アカエイ
眠り亀 その他
評価 70%(夜間がメインだが、外してしまった時は見上げる星達のみがせめてもの収穫)

















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